連載
高齢になっても
「自分の足」で
歩き続けるために
1 なぜ人は高齢になると歩けなくなるのか
加齢と歩行機能低下の基本
年齢を重ねると、「歩くのが遅くなった」「長く歩くと疲れやすい」と感じる人が増えてきます。これは特別な病気がなくても、多くの人に起こる自然な変化です。加齢により筋力は少しずつ低下し、特に太ももやお尻、体幹の筋肉が弱くなりやすくなります。また、関節の動きが小さくなり、姿勢を保つためのバランス感覚や反応速度も衰えてきます。
歩行機能の低下は、突然起こるものではありません。日常生活の中で歩く機会が減り、「使わなくなる」ことで徐々に進行する場合が多く見られます。外出が減ると筋力がさらに落ち、歩くことがおっくうになるという悪循環に陥りがちです。しかし、歩行能力は年齢だけで決まるものではありません。仕組みを理解し、早い段階から意識することで、低下を緩やかにすることは可能です。まずは、歩けなくなる理由を正しく知ることが大切です。