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無電解ニッケルめっきとSiC複合めっきの硬度、耐摩耗性評価 on A7075

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無電解ニッケルめっき技術の中に粒子を分散させる複合めっき技術があります。その技術のひとつにSiC(高硬度セラミックス粒子)を分散させるものがあり、機械特性や電気伝導率、熱伝導率の向上といった様々な効果を付与することができます。そのSiCの分散粒子を含ませた無電解ニッケルめっき(Ni-P)とその上にホウ素含有の無電解ニッケルめっき(Ni-B)を施した2層型無電解ニッケルめっきの機械特性を評価した論文を紹介します。(1)

母材と前処理

今回利用している母材はA7075で、一般的なアルミニウム合金ではないかもしれませんが高硬度で耐食性が悪いアルミニウムを利用していました。アルミニウムのめっき処理としては一般的なダブルジンケート処理によって前処理を実施しています。ダブルジンケート処理は亜鉛をアルミニウム上に置換析出させる処理でめっきの密着性向上に有効です。

無電解ニッケルめっき(Ni-P)

無電解ニッケルめっき(Ni-P)を成膜する際に、SiCナノ粒子と界面活性剤であるSDSの添加物を定量的に注入し、めっき膜中にSiCが入るように調整して実験を行っていました。また、この添加量やバランスを調整することでどのような機械特性に変化があるのかと調べています。

無電解ニッケルめっき(Ni-B)

Ni-Pの無電解ニッケルめっきが完了した後はNi-Bの無電解ニッケルめっきを薄く施しています。今回の論文ではこの内容について詳しく触れてはいませんでした。

試験方法

ビッカース硬さ試験

ビッカース硬度計を用いて無電解ニッケルめっきの硬さを評価していました。その結果、皮膜中に0.06%のSiCを含有する無電解ニッケルめっきが最も硬度が高くおおよそ1060HVの硬度があることがわかりました。最も柔らかいもので400にも満たないものがあったため、SiC混入効果というのは大きな硬度上昇へ寄与していることがわかります。

耐摩耗性試験

ひっかきによる重量減少を計測するこのテストの結果、やはり0.06%のSiCを混合していた無電解ニッケルめっきが最も耐摩耗性が高い(重量減少が小さい)という結果でした。

結果まとめ

これらの結果をまとめると、SiCが最も多く入っていた無電解ニッケルめっきでは高硬度で耐摩耗性が最も高いという結果が得られることが再確認されました。

この情報が欲しいなという感想

SiCによって高硬度を得たという結果は理解できたが、比較されていたサンプルにはSiC 0%で今回のベストレコードに近い結果が得られているものがあった。その結果と推定原因が欲しいと思った。さらに、Ni-Bの無電解ニッケルめっきはその成膜条件や膜厚の情報がなく、これによって硬度や耐摩耗性にばらつきを与えていたのでは?と疑問に残るものがありました。

参考論文

(1) C. Subramanian and K. Palaniradja / International Journal of Advanced Technology and Engineering Exploration, Vol5(39) (2018) 30-36

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