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無電解ニッケルめっきと超音波&グラファイト粒子の機械特性の変化について

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無電解ニッケルめっきは様々な複合めっきの手段として用いられているが、その中にグラファイト粒子を取り込んだものがある。今回はその特性と超音波を利用しためっき手法について論文(1)を紹介します。

超音波を利用した無電解ニッケルめっき

無電解ニッケルめっきの特徴は電解処理ではないめっき手法であることです。めっき手法としては比較的新しいですが、化成処理のようにめっきができるため数多の産業で利用されるようになっています。

その無電解ニッケルめっきの成膜中に超音波を利用すると結晶粒子が小さくなり、機械的強度が上がることが確認されました。

グラファイト微粒子の取り込み

グラファイトを小さく砕いたものを無電解ニッケルめっき浴に入れて間欠の超音波を照射した結果、グラファイトを入れていないものに比べると約750HVから約770HVへと3.5%の硬度上昇がみられました。さらに400℃の熱処理を施すと約1100HVが約1185HVへと硬度が上昇することが確認されました。

荷重変異曲線をOliver Pharr methodにより計測すると熱処理後のもので、グラファイトなし:231GPa、グラファイトあり:250GPaという結果になっており、硬度と同じ比率の強度上昇が確認されました。

グラファイトによる強度変化

グラファイトの添加による強度変化は小さな粒子すなわちグラフェンシートのp軌道とNi-P粒子のNi-p軌道が重なりあうことでより強度が発揮されていたのではないかと推定されています。これはグラフェンシートがNi-Pの粒子間に入り込むことが観察されたことによります。

この論文から未来を見る

この技術が実用化される場合、粒子の管理をどうするかという点が課題でしょうか。副生成物の粒子とグラファイト粒子の区別が簡単にできれば問題ありませんが、実際は難しいでしょう。しかし、無電解ニッケルめっきとは言え、熱処理後で1200HVまで硬度が上がることは稀で高硬度が欲しい部品には有効かもしれません。グラファイトと同じで、π-πスタッキングによって構造を形成している物質、例えばMoS2などは利用できないのか?そして、摺動性にも寄与できれば面白そうだと考えます。

(1) Qjan Yu Tianfeng Zhou / Applied Surface Science 435 (2018) 617-625

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