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マグネシウム合金(AZ91)への無電解ニッケルめっき

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マグネシウム合金は錆びやすい。マグネシウム合金について取り扱ったことがある方なら経験済みだと思います。また、マグネシウム合金には化成皮膜処理を含め様々な処理が提案、実用化されていますが、その防錆力はアルミのアルマイト処理に比べると劣ります。そこで、今回は別のアプローチ手段として無電解ニッケルめっきをマグネシウム合金AZ91に施すとどうなるかについて調べた論文を紹介します。(1)

マグネシウムの前処理

マグネシウムの表面粗度による影響を調査するために、ペーパーで磨いたものとサンドブラストを当てたものを用意しています。また、無電解ニッケルめっきの前処理としてはフッ化物による処理を施しています。

無電解ニッケルめっきと後処理

無電解ニッケルめっきは時間を振りながら、成膜レートを調査し、最大150分まで行っていました。後処理としては250℃の1時間の熱処理と400℃の熱処理を実施しています。

密着性の違い

まず、ひっかき試験を用いて密着性の評価を行っていました。その結果、密着性はブラストを当て250℃で熱処理を行ったものが最も良い結果となりました。次いで400℃1時間の熱処理のものが密着性としては良い結果となりました。ペーパーによって磨いたもの比べると明らかに密着力に差異が認められました。これはブラストによるアンカー効果が影響していると考えられます。厳密に言えばこのひっかき試験は密着性の単純比較ではなく、めっきの表面硬度の影響も受けます。熱処理を行ったため無電解ニッケルめっきがNi3Pの構造を取り、その結果、400℃のめっきが硬度としては高くなるのですが実際は250℃のものがよいという結果が得られています。

著者はこの結果をめっきが割れていたからであると表現していましたが、結果としてはそれで間違いがないのでしょう。しかし、割れの原因を作ったのはAZ91を熱処理したからかもしれません。融点が533℃の金属に対して400℃まで熱をかけているわけですから、組織的にも影響がある可能性が高いです。

成膜レート初期の違い

成膜速度には若干の差がありました。やはり早く成膜し始めたのはブラストを当てたものです。無電解ニッケルめっきの初期反応として置換めっきが起こると考えられていますが、その際に反応できるサイトが多く作られるブラストのほうが優位であると考えられています。成膜初期を抜けると、めっきーめっきの反応となりますので成膜速度は無電解ニッケルめっき本来の反応に依存します。

これが欲しかったなという結果

AZ91をはじめ、マグネシウム合金は熱により耐力が著しく低下します。無電解ニッケルめっきを施し、熱処理を行うことで硬度を上げるという点については文句ないのですが、低温で同等の高度や密着性を得られる方法があれば技術的にもっと面白かったかもしれません。

参考文献

(1) Z.Liu. W.Gao / Surface & Coatings Technology 200 (2006) 5087-5093

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マグネシウム合金(AZ91)への無電解ニッケルめっき」に2件のコメントがあります

  1. こんばんは、ブログランキングから訪問しました。
    記事参考になります。
    また訪問します。
    応援ポチしました。

    1. コメント&応援ポチありがとうございます。
      まだまだ記事数は少ないですが、ちょっとずつアップするのでたまに覗いてみてください。

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